やまと(倭)は国のまほろばBlog

美しい国日本を守るため歴史、経済、政治面から社会についての思想的考察を行います

日産問題に見る合理化?と巨額の損失と日本企業の今後について

先日、日産の社長が記者会見を行い、今回の不始末とその影響額につき述べました。これは言ってみればごく当たり前の話でしたが、非常に今回の件の原因につき示唆していたのは、NHKで流した現役の品質管理担当のインタビューです。

TV放映に当たり報道側の意図が入っている事は間違いないですが、インタビューでは、ゴーン体制になり合理化が進んだ。品質管理の人員も従来に対し6割になった。毎年会社から効果を求められ、色々考えた。と言うごく短い内容が語られました。

www3.nhk.or.jp

ここ数十年、特に1990年代からグローバリズムの進展により、企業が海外含めた市場に乗り出すと共に競争が激しくなり国内の様々な企業が撤退、又買収されてきています。

それに伴い企業においては、収益を拡大する事が絶対的な価値観となりました。そもそも合理化と言っても所謂創意工夫の下での改善といった話だと効果も出ますし、皆がやり遂げたという達成感も味わえる。ただこういった日本的経営などと言われた小集団活動的な考え方も殆ど姿を消していますし、今回の合理化というものが上記のインタビューのように人を単純に減らす中で行われたとすると、それはコストカットしただけにすぎません。

高収益の目標値がトップから提示され、実務のレベルではそれをどうクリアするか四苦八苦し、工夫して手抜き=ある種の効率化を図ると言う事ですから、これは起こるべくして起きた話と言え、これほど皮肉な事はない。

人件費を削り利益を出したら、最終的にそれか同等以上の費用が発生する。これを本当に重要視し、考えることができるかどうかが日本の産業が継続してゆく鍵になるでしょう。

昨今カール ポランニーの『大転換』と言う大著について触れられた文章も多くなりましたが、そもそも人、土地と言ったものは経済取引に馴染まないし、そうすべきではない。とされています。その通りだと思います。今の世の中において、人が単なるコストの一つとしてしか考えられないなどということは、やはりおかしい。

同様に従来国内メーカーでは、安全と品質は全てに優先する。といったを考え方を持っていたはずです。合理化の掛け声のもとに単純に人=コストを減らすということではなく、ムダを無くすという事が出来るのか、そうでないのか。といった事をもう一度真剣に考え、取り戻すしかほかに道はない。ま、神戸製鋼の記者会見でも語られていますが、現在はあまりに現場を軽視し、利益をどう出すかのみ机上で議論するからこういう結果を招くという事なのでしょう。

具体的に品質を確保してゆく為には、正規雇用非正規雇用の並立といったある意味での差別を取り払い、小さな集団ごとに創意工夫を自ら行う。といった根本的な従業員との関係、組織の見直しを図ってゆく必要があります。

トップ自らがきちんとした考え方を持ち、延べ。従業員がモチベーションを維持して業務に打ち込む。そういった事例としては、京セラの稲森さんがよく著書を出されていますし。アメーバ経営ということでボトムを重視した経営スタイルを進めている。無駄をはぶくという意味と小集団的な経営でトヨタは世界トップの企業にまで上り詰めましたが、我々企業人も再度、真摯にこういった先人に学んでゆく必要があると思います。

 

稲盛和夫の実践アメーバ経営 全社員が自ら採算をつくる

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