やまと(倭)は国のまほろばBlog

美しい国日本を守るため歴史、経済、政治面から社会についての思想的考察を行います

選挙の争点:真の保守とは何か、その政策は?

今朝10月17日の読売新聞紙上に、日本の「保守」「リベラルとは」論点スペシャルと題した記事が掲載されていました。東大の井上教授と、京大名誉教授の佐伯啓思さんが意見を述べておられます。下記佐伯啓思さんの意見を引用させて頂きます。

保守とリベラリズムという対決の図式で日本の政治は語られてきた。しかし今、この対決は意味を失っている。また本当に意味での保守政党があるのだろうか。

「保守」を名乗っている自民党は、小泉政権あたりから徹底した自由化と市場競争化を推進し、経済のグローバル化を受け入れる新自由主義を採り、この行き過ぎで所得格差が広がり、雇用不安が若者を襲った。

安倍首相のアベノミクスも成長戦略にかかっている。AIやロボット、バイオテクノロジーで技術革新を進める。これも科学技術によって社会を変革するという意味で進歩主義である。

これは非常に重要な指摘です。日本の中では、自民党=保守という思い込みが刷り込まれてきていますが小泉政権、いや橋本政権の時から構造改革という名のもとに新自由主義的政策を進めてきています。橋本政権時代の金融ビッグバンとやらで、都市銀行が合併を繰り返し、山一證券が消滅するなど当時も非常に大きな影響がありました。

勿論安倍政権は国防といった分野では色々な法案を成立させ一定の成果を挙げてきたと思いますが、経済的な施策は新自由主義のそれであり、いまだにTPPに拘っていることからもそれは見られます。

 

ymahoroba.hatenablog.com

 

 こういった一連の政策の継続により国内の金融、メーカーがどんどんグローバリズムの波に飲み込まれ雇用問題と会社の不安定化を招いています。下記をご覧ください。

 

ymahoroba.hatenablog.com

では一体保守とは何なのか?西部邁さんのコメントを掲げます。やや長文ですが

本来の保守とは、その国のトラディショナル(伝統)を守ることです。そして伝統とは、その国の歴史が残してきた慣習そのものではなく、その中に内包されている平衡感覚の事を意味している。とかく人間の意見は左右に散らばって対立するものであり、そういった分裂を危機と呼ぶなら、時代は常に危機に晒されていると言えるでしょう。そうした状況下において、いかに平衡を保つかが問われているのです。
こうした平衡術は、凡庸な学者が考えた理屈からうみだされるものではありません。歴史という紆余曲折の経験のなかから、曲芸師的に対処するための知恵のような感覚、あるいは言葉遣いや振る舞いを習得していくのです。常に状況は新しいわけだから、それは処方箋ではあり得ません。対処法を示唆してくれる存在として、伝統というものがある。だから悪習と良習を区別しながらも、伝統を壊してはならないと考えるのが保守主義です

イギリスなどは慣習という物を大切にし、ずっと今までも歴史から学び、それを政治の世界にも応用してきた。そういった思想、態度を示すという事でしょう。非常に含蓄があります。

 佐伯啓思さんは、希望の党小池百合子氏のパフォーマンスから生まれ、何を改革するのか不明。立憲民主党もにわかに出来た党であり政策は後付けに過ぎず、自公政権に対抗できる政策は見えないとされていますが、その意味では今回の選挙は、どこがまだましか。というのが一番の争点でマスコミが囃し立てているように自公政権の勝利で終わることになると思います。又下記のように今後の政策を示されていますが、これらは今まさに国民が将来に不安を覚えている内容です。

現在のような人口減少社会で成長を続けるのが困難であるなら、過剰な競争を強いるグローバル経済からは少し身を引き、国民生活の安定や医療、教育などの社会的基盤を整備することこそが必要になる。

 最近良く聞くようになった、カール・ポラニーが著書「大転換」で述べているように行き過ぎたグローバル化は社会の混乱を招く。

既に欧米ではグローバル化と反グローバル化の軸で選挙が行われ、アメリカ、イギリス、又オーストラリアでも移民への反対などが鍵となって今までの動きを抑制しようとしています。佐伯啓思さんが言われるように真の保守として憲法は自主憲法の制定、自律的な防衛の可能性を探るといった精神を持つという事が今まさに問われている。

又これが本当にちゃんと議論されないと、ずっと日本は世界の潮流の中で漂流し続けるだけになるのではないでしょうか。 

一方今まで伝統という物を壊し続けてきた日本ですが、日本の伝統とは何なのか?今現在何が残り、何が無くなってしまっているのか?今一度立ち止まって検証し、保守という物を真剣に考える時期なのではないか。と思います

 

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